副業の入金口座から、経費支払い用の口座へ100,000円を移した。入金側を売上、出金側を経費にすると、実際には増えていない売上と経費が帳簿に並びます。
事業用口座同士の移動は、原則として預金の置き場所が変わる取引です。まず、両方の口座を事業の帳簿に含めているかを確認しましょう。私用口座への生活費の移動とは使う科目が変わります。
同じ名義でも、帳簿上の用途は違う
| 移動元 | 移動先 | 基本的な考え方 |
|---|---|---|
| 事業口座A | 事業口座B | 預金口座間の振替 |
| 事業口座 | 私用口座 | 生活費なら事業主貸 |
| 私用口座 | 事業口座 | 自己資金なら事業主借 |
| 取引先口座 | 事業口座 | 報酬・売掛金回収等の内容を確認 |
口座の名義だけで判定せず、実際の目的と管理範囲を見ます。基本的な区別は弥生の事業主勘定の説明も参考になります。
100,000円を移す仕訳
事業口座AからBへ100,000円を振り込む単純な例は、借方『普通預金B 100,000円』、貸方『普通預金A 100,000円』です。Aは減り、Bは増えますが、事業全体の預金合計は変わりません。売上高や経費の科目は使いません。
手数料220円がAから別途引き落とされたなら、その220円は振替本体とは分けて記録します。銀行明細が100,220円の一行で表示される場合も、移動額100,000円と手数料220円の内訳に分けると照合できます。消費税区分は手数料の内容に応じて確認します。
両口座を連携していると二つの明細が来る
Aの『出金100,000円』とBの『入金100,000円』が両方取り込まれても、事業全体では一つの振替です。片側から振替仕訳を登録したあと、もう片側で同じ仕訳を作れば二重になります。
ソフトによっては口座振替の候補を照合する機能があります。機能がない場合も、一方で登録し、他方は登録済みの振替に対応する明細として扱うなど、製品の手順に従います。未処理明細を対象外にした結果、必要な振替まで消していないかを元帳で確認してください。
月末をまたぐ振込は実際の記録を確認
移動元の引落日と移動先の入金日がずれると、片側の残高だけを見て入力漏れと判断しがちです。振込受付日、実行日、入金日を区別し、銀行が発行する明細を揃えます。予約しただけの振込を、既に出金済みとして扱わないようにしましょう。
特に年末をまたぐ場合は、未達取引の処理が必要かを個別に確認します。日付を無理に合わせて見かけだけ残高を一致させるのではなく、実際の資金移動を説明できる記録を残してください。
『振替一覧』があると確認が速い
毎月同じ二口座で移しているなら、次のような照合メモを残します。
- 振替日と金額。
- 移動元・移動先の口座。
- それぞれの銀行明細の取引番号。
- 会計ソフトで登録した仕訳番号。
- 手数料の有無。
入金側の自動判定が売上になっていた場合、このメモがあれば修正対象を見つけやすくなります。振込名義が自分の名前であっても、資金移動以外の事情がある場合は実態を確認します。
利益と資金を分けて見る
資金移動が多い月は銀行の入出金合計が膨らみます。それでも利益が増えたとは限りません。売上・経費の集計と、口座残高の増減を別々に見て、生活費の引出しや借入返済なども区別すると資金計画が立てやすくなります。
複数口座を会計ソフトで管理するなら、会計ソフト比較の前に、どの口座を全件記録するかを決めておきましょう。対応銀行の数よりも、自分の振替を迷わず照合できるかが実務上の判断材料になります。
振替だけなら預金合計は変わらない
移動前がA口座150,000円、B口座20,000円なら合計170,000円です。100,000円を移した後はA50,000円、B120,000円で同額になります。別途手数料220円を払った場合は合計169,780円です。片側しか記帳していないと、この合計チェックでも異常に気づけます。
確認日:2026年10月16日。仕訳例は個人事業の一般的な記帳例です。
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