副業の借入金返済は経費?元金・利息・機材代を分ける帳簿例

ふくまるが借入金返済の元金と利息を分けて説明する図 経費・帳簿

副業の機材を買うために借りたお金を、毎月返している。口座から引き落とされる金額は同じでも、その全額が必要経費になるわけではありません。

返済で借入金が減る部分が「元金」、借りることに対して支払う部分が「利息」です。さらに、そのお金で買ったパソコンや撮影機材の処理は、返済とは別に考えます。個人の副業・事業の帳簿で、この3つを混ぜないための例をまとめました。

最初に分けるのは、借入・購入・返済の3場面

事業用として50万円を借りて口座に入ったとします。この入金は商品の売上ではありません。借入金という返済義務が増え、預金が増えた取引として記録します。

手数料などの差し引きがなく、50万円全額が事業用口座に入った場合の例です。

借方金額貸方金額
普通預金500,000円借入金500,000円

次に、そのお金で機材を買ったときは、機材の内容・取得価額・使い方に応じて、固定資産や経費などの処理を判断します。そして後日返すときは、借入金の返済として元金を減らします。

「借入でお金が入ったから売上」「返済でお金が出たから経費」と入力すると、利益と借入残高の両方が実態とずれてしまいます。

月21,000円を返す例で見る

以下は、事業用借入について、ある月の返済が元金20,000円・利息1,000円だったと仮定した仕訳例です。消費税や手数料は省いています。実際の内訳は返済予定表を確認してください。

区分金額帳簿での意味
借入金の元金20,000円返済義務を減らす
事業に対応する利息1,000円必要経費としての利子割引料など
普通預金からの出金21,000円上の2つを合計した支払い

帳簿では、一つの出金を次のように分けて記録します。会計ソフトによって利息の科目名は「支払利息」などの場合もあります。

借方金額貸方金額
借入金20,000円普通預金21,000円
利子割引料1,000円——

借方の合計も貸方の合計も21,000円です。返済前の元金残高が50万円なら、返済後は48万円です。47万9,000円にはなりません。1,000円は元金の返済ではなく利息だからです。

銀行明細には21,000円としか出ない場合があります。会計ソフトに明細を取り込んだら、合計だけで経費科目を選ばず、元金と利息に分けます。元利合計が一定の返済でも、月ごとの内訳が変わることがあるので、前月の仕訳を無条件にコピーしないでください。

機材代も経費に入れたら、返済と二重になる?

機材の購入に伴う処理と、借入金の元金返済は別です。元金返済を経費にしなければ、それだけで購入費が二重の経費になるわけではありません。

一方、購入時に経費や資産を記録したうえで、返済の全額まで「消耗品費」などにすると、元金部分を重ねて経費にする原因になります。固定資産にした機材は、その後の減価償却も含めて確認します。

たとえば、借入で買った機材を数年使う場合、現金の返済スケジュールと減価償却の計算期間は一致するとは限りません。返済が多い月でも、同じだけ利益が減るとは限らないのです。購入時の判断は、機材費と減価償却の基本で確認できます。

私用の借入や、仕事と私用が混ざる場合

必要経費として検討できるのは、業務に必要な借入に対応する利息です。生活費のための借入を、事業用口座から返したという理由だけで経費にはできません。口座の名前ではなく、借りたお金の用途を確認します。

仕事と私用が混ざる借入は、事業に対応する部分を区分できる資料が必要です。契約書、入出金の流れ、購入物の使い方などを残しましょう。「副業があるから半分」といった根拠のない割合は避け、判断が難しい場合は税理士などに確認してください。

自動取り込みで間違えないための確認手順

  1. 借入先ごとに、契約書と返済予定表を保管する。借入番号などで区別する。
  2. 銀行明細の出金日・合計額と、返済予定表の対象月を合わせる。
  3. 元金、利息、手数料などの内訳を確認し、それぞれの内容に応じて入力する。
  4. 元金残高が「前月残高-今回の元金返済額」になっているか見る。
  5. 年末は金融機関の残高情報と帳簿の借入金残高を照合する。

繰上返済、金利変更、支払日の変更があった月は特に注意します。古い返済予定表を使わず、新しい明細に切り替えてください。保証料や事務手数料などが別にある場合は、単に全部をその月の利息へまとめず、内容と対象期間を確認します。

銀行連携をこれから使うなら、返済明細一件で元金と利息を分けて確認できるかを試します。会計ソフトの連携・試用の比較では、取り込み直しも含めた確認手順を整理しています。

利益と手元のお金を、別々に確認する

利益が出ていても、元金返済が多ければ口座のお金は減ります。資金繰りを見るときには、税金や経費に加えて、経費にならない元金返済も支払予定へ入れることが必要です。

まず今月の引き落としを一件選び、返済予定表から「元金」「利息」を書き出してみましょう。帳簿の全体像を整理したい場合は、副業の帳簿を付ける基本手順も参考になります。

確認日:2026年10月7日。参考:国税庁・必要経費の知識、弥生・借入金を返済したときの仕訳。本記事の数値は説明用の仮定です。

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