副業の台本や記事をChatGPTで作っていると、月額料金を丸ごと経費にしたくなります。しかし支払った事実と、副業の収入を得るために必要だった範囲は別の話です。私用の調べ物や会社員としての本業にも使うなら、副業分を説明できる記録が必要です。この記事はYouTube、ブログ、デザイン制作などの個人の副業で有料プランを使う人向けに、経費判断から請求書保存、申告前の照合までを示します。具体的な税務判断は所得区分・契約・利用実態により変わるため、迷う取引は税務署や税理士へ確認してください。
結論:料金ではなく業務との関係を説明できるか
国税庁の「必要経費の知識」は、事業所得や業務に係る雑所得などの収入を得るために直接必要な費用を基礎とし、家事関連費は取引の記録などで業務上直接必要な部分を明らかに区分できる場合に限ると説明しています。ChatGPTという名前だから全額可、無料プランから有料にしたから不可、という一律の結論ではありません。
| 使用例 | 確認すること | 記録例 |
|---|---|---|
| 副業のYouTube台本だけに使用 | 制作した動画と利用期間の対応 | 企画名、台本作成日、請求月 |
| 副業と私用を併用 | 副業利用を客観的に分けられるか | 案件別の作業時間・利用回数の記録 |
| 勤務先の仕事にも使用 | 勤務先の経費精算と二重にならないか | 副業用の成果物と会社分の区分 |
| 購入しただけで使っていない | 業務上の必要性を説明できるか | 契約目的と実際の利用履歴 |
「AIを勉強するため」という抽象的なメモより、制作した動画・記事・顧客案件と紐付く利用記録が役立ちます。ただし機密のプロンプトそのものをすべて帳簿へ貼る必要はありません。用途、日付、対象成果物、支払額を残します。
副業と私用を分ける実務手順
- 契約の請求期間と金額、決済通貨を確認し、OpenAIの請求書または支払履歴を保存する。
- 請求月ごとに副業の案件・記事・動画を一覧にし、使用した機能と作業時間を記録する。単に開いていた時間だけでなく何を制作したかを記す。
- 家族の質問、趣味の旅行、会社の仕事など副業以外の利用を分ける。副業用と私用のアカウントを分けられる場合は混在を減らす。
- 実態に合う合理的な配分方法を決め、月ごとに同じ基準で計算する。利用回数だけでは長時間の作業を表しにくい場合、案件ごとの利用時間や成果物の制作時間を併記する。
- 年間の一覧表を請求書、カード明細、成果物の公開・納品記録と照合し、根拠が弱い月は無理に全額計上しない。
たとえば月額3,000円相当の仮の料金を支払い、記録上の副業利用が60%、私用が40%なら計算上の副業相当額は1,800円です。60%は法定の固定率ではありません。各人の実態で変わり、請求額や為替も仮置きです。金額が小さくても毎月同じ割合を根拠なしに使い続けると説明が難しくなります。年末に12カ月をまとめて思い出すより、月末に5分の記録を残しましょう。
Plus、Pro、APIを同じ請求と扱わない
ChatGPTの月額契約とOpenAI APIの従量課金は請求先・履歴画面が異なります。Plusなどの支払いでAPI利用が含まれるわけではありません。両方を使うなら、それぞれの請求書、利用目的、請求期間を別行で管理します。APIを自動処理へ接続した場合、テストやエラーの再実行でも料金が発生する可能性があります。案件に使った請求額と個人的な検証分を混ぜないため、利用状況の画面と予算上限も確認します。
クレジットカードの引き落としを経費として入力した後に、請求書を見てもう一度同じ月額を入力すると二重計上になります。カード明細は決済の証拠、OpenAIの請求履歴は取引内容・期間の確認に使い、帳簿上は同じ取引を一件として照合してください。支払日と請求期間が月をまたぐときの計上時期は所得区分・記帳方法によって変わるため、事例だけで断定しません。
請求書を探す場所と保存の仕方
OpenAI公式ヘルプは、ChatGPT Plus・Pro・Businessの過去の請求書をそれぞれの請求ポータルから探す方法を案内しています。Webで契約したか、アプリストア経由かによって履歴の場所が異なる場合があります。契約画面からBillingを開き、対象月の履歴をダウンロードします。アプリ経由ならストア側の購入履歴も確認します。請求書が見つからないときは別のアカウントや決済経路を先に確認してください。
ファイル名は「2026-09_OpenAI_請求番号」のように月と取引先が分かる形にし、カード明細と同じフォルダへ保存します。請求書に利用者名や事業名が必要な場合は、OpenAIの請求設定で現在変更できる項目を調べ、過去の書類が自動で書き換わるとは思わないでください。電子で受け取った書類の保存方法は自分の帳簿環境と電子帳簿保存法の扱いに合わせて確認します。領収書の保存方法を解説する既存記事も参照してください。
失敗しやすい4つの判断
「毎日使うから全額」を根拠にする
毎日使っていても私用が混じれば全額を説明できません。利用回数ではなく、業務のどの工程に使ったかと私用の範囲を示します。
支払った年と制作した年を混同する
年払いを選ぶ場合、支払った年に機械的に全額計上できるかは契約期間や記帳方法で判断が必要です。更新日と対象期間を保存し、税理士へ確認します。
複数のAI契約を目的なく増やす
画像・文章・音声を全部契約しても、副業に使わなければ費用だけ増えます。月末に成果物と請求を対照し、使っていない契約は更新前に見直します。
海外サービスの円額を推測で記帳する
外貨で請求されてもカード会社の円換算額、手数料、請求書の通貨表示が一致しないことがあります。証憑と採用した換算方法を保存し、為替差額や消費税の扱いを推測で埋めません。
よくある質問
無料プランで作った記事も経費になる?
無料利用自体に支払額はありません。別途制作に使った有料費用があれば、その業務との関係を個別に確認します。
副業の収益がまだゼロでも計上できる?
収益がないという一事で結論は出ません。ただし収入を得るための具体的な活動、支出の時期と必要性を説明できるようにしてください。趣味の利用と分け、開業前後の扱いは専門家へ相談します。
領収書がなくカード明細だけなら?
明細だけでは何を買ったか分からない場合があります。OpenAIの請求ポータルや契約メールを確認し、請求対象・期間・金額を示す資料を揃えます。
契約を継続するかの判断
経費として認められる可能性と、契約を続ける価値は別です。月に何時間短縮できたか、納品物の質が上がったか、本人による確認作業がどれほど残ったかを記録してください。動画台本なら構成案の作成時間だけでなく、誤情報の訂正や語り口の修正時間も含めて比較します。AIの出力をそのまま公開して修正時間をゼロと見積もると、実際の負担を過小評価します。契約を止める場合は、必要な請求書を先に保存し、次回更新日と解約後に閲覧できる履歴を確認します。
月末の確認リスト
- 請求先がChatGPTかAPIかを区別した
- 請求書とカード決済を一件に照合した
- 制作した成果物と利用月を記録した
- 私用・勤務先利用との区分を説明できる
- 為替・年払いなど不明点を保留して確認した
会計ソフトへの入力前に売上側も整理し、支払だけを追う状態から抜けましょう。
公式情報と確認日
2026年9月26日に国税庁:必要経費の知識、OpenAI:過去の請求書、OpenAI:請求管理を確認しました。契約画面と制度は申告時にも再確認してください。
関連する操作は動画編集ソフト・素材サイト利用料の経費と保存書類も参照してください。

