12月にnoteの有料記事が売れ、銀行への振込は翌年2月。どちらの年の売上として扱うかは、銀行に入った年だけで決められません。国税庁は原則として、その年に「収入すべき権利が確定した金額」を収入に含めると説明しています。一方、note画面の売上確定日、返金可能期間、契約上の条件と、税務上の収入時期を機械的に同一視するのも危険です。
この記事は年末にnote販売を始めた個人事業主・副業者向けです。結論を先取りすると、購入日、noteの売上確定日、振込申請日、銀行入金日を別々に記録し、前年からの帳簿方針と取引条件を見て判断します。少額だから必ず入金日基準でよいという例外はありません。現金主義の特例に該当する場合もあるため、申告前に税務署・税理士へ確認してください。
年またぎで混ざる4つの日付
| 日付 | 示すもの | 確認資料 |
|---|---|---|
| 購入日 | 読者が決済した取引日 | note販売履歴 |
| noteの売上確定日 | 前月分をプラットフォームが確定する日。公式は原則毎月2日と案内 | 売上管理・売上CSV |
| 振込申請日 | 未振込売上の払出しを依頼した日 | 振込履歴 |
| 銀行入金日 | 現金を回収した日 | 銀行明細 |
たとえば12月28日の購入で、noteの前月分確定は翌年1月2日、申請は1月10日、入金は1月末という順序になり得ます。これは手続きの時系列を示す例であり、「noteの確定が1月2日だから税務上も必ず翌年分」あるいは「購入が12月だから必ず前年分」と即断する根拠ではありません。販売の条件、返金、収入権利の成立時点を確認します。
国税庁の原則と例外
国税庁の「収入金額とその計算」では、年末までに現金を受け取っていなくても、収入すべき権利が確定した金額がその年の収入とされています。商品を12月に売り、代金を翌年1月に受け取る例は、売った年の収入として説明されています。ただしnoteで販売したデジタルコンテンツについて、個別の契約や返金状況を無視してこの例だけを当てはめるべきではありません。
また一定の条件を満たす青色申告者や雑所得を生ずべき業務の小規模事業者等は、現金の出入りを基準にする特例を選択できる場合があります。青色申告者には届出が必要です。「副業だから現金主義」と自動的に決まるものではなく、対象者と採用状況を確認します。前年は発生基準、今年だけ入金基準というような都合のよい切替も避けてください。
年末年始の資料整理手順
- 12月の取引を抽出。販売履歴で12月の購入、チップ、メンバーシップ、返金を分けます。販売履歴CSVはPCのWebからダウンロードできます。
- note売上情報CSVを保存。「売上」欄と「手数料」「振込手数料」欄を確認します。12月と翌年1月の双方のファイルを残し、表示月の違いで漏れないようにします。
- 未振込残高を記録。年末時点で銀行に未着でも、どの取引に対応するか追えるようにします。支払申請の最低金額や期限と帳簿上の売上は別です。
- 返金を個別に追う。購入から24時間以内の返金申請があり得る有料記事では、年末年始をまたぐ返金の状態を確認します。申請中と返金完了を分け、元取引へひも付けます。
- 翌年の入金を消し込む。振込金額は売上総額から手数料が控除されるため、通帳の数字だけを翌年の新たな売上にすると二重計上につながります。
管理表の例:通帳だけでは見えない差
仮に12月に1,000円の記事がクレジットカードで2件売れ、両方有効だとします。note公式の計算例では1件当たり事務手数料50円、プラットフォーム利用料95円です。2件なら売上総額2,000円、サービス利用料290円、振込前の残りは1,710円です。振込が1回で手数料270円なら入金は1,440円という概算になります。実額は決済手段、返金、他の売上との合算で異なります。帳簿の売上を1,440円とだけ書くと、2,000円の販売事実と560円の差が説明できません。
表には「12月の販売2,000円」「該当手数料」「note確定日」「1月の申請」「振込手数料」「入金1,440円」「採用した収益計上日」を別列で残します。この例は記録方法の説明であり、どの年へ2,000円を計上するかの個別税務判断ではありません。
失敗を防ぐ確認事項
- 12月の販売履歴と翌年1月の確定画面を両方保存したか
- 未確定・返金・キャンセルを含む数字を一律に売上へ入れていないか
- 口座連携の入金仕訳を「新しい売上」として二重登録していないか
- 前年と同じ帳簿方針で処理したか。特例の届出や要件を確認したか
- 消費税の課税事業者なら、所得税とは別に消費税の時期・インボイスも確認したか
FAQ
翌年2月に振込まれたら、その年の確定申告でいい?
振込日だけでは決められません。売上の権利がいつ確定したか、採用する記帳方法、返金等の条件で判断します。資料を揃えて専門家へ確認してください。
noteの「毎月2日確定」が税務上の確定日?
noteの払出しに関する確定日を示す案内です。税務上の収入時期と必ず一致するとは限りません。購入日と利用規約も確認します。
数百円でも記録する?
少額でも販売事実と手数料・返金の資料を残します。確定申告が必要かどうかは所得全体と勤務先等の条件によって別に判断します。
年をまたぐ入金を照合するとき、noteの販売確定日とアフィリエイトの成果確定日を同じ基準と決めつけないでください。後者はアフィリエイト収入の仕訳方法を参照し、それぞれの管理画面の明細を残します。
CSVのどの欄を帳簿へ転記するか迷ったら、note売上CSVの帳簿へのまとめ方で、販売総額・手数料・銀行入金の照合手順を確認できます。
公式情報・確認日
2026年9月26日に国税庁:収入金額とその計算、note:売上金について、売上金を確認する、手数料を確認しました。

