転職と副業が重なった年の年末調整|前職の源泉徴収票を二重に足さない方法

転職と副業が重なった年の年末調整|前職の源泉徴収票を二重に足さない方法 確定申告の基礎

春に転職し、前の会社の最終給与は4月、新しい会社の最初の給与は5月。その間に業務委託の原稿料も一件入った。秋に「前職の収入を申告してください」と言われたとき、この三つをまとめて書いてよいのでしょうか。中途就職の年末調整で先に照合するのは、前の勤務先が支払った給与とそこから徴収された税・社会保険料です。請求書で受け取った原稿料とは提出する資料も計算の場所も異なります。

前職から届いた「どの源泉徴収票」かを読む

書類の上にある表題を見てください。「給与所得の源泉徴収票」と「退職所得の源泉徴収票」は、同じ会社から同じ封筒で届くことがあります。最後の給料と退職金が同じ日に振り込まれていても、退職所得の票にある支払金額を、前職給与として新しい勤務先へ合算するわけではありません。表題の次に年分と支払者の名称を見ます。前年の票がファイルに残っている人は、取り出す時点で年ごとに分けてください。

次に、退職日、最終の給与支給日、転職先の入社日を簡単な時系列に書きます。ここで日付を並べる目的は、退職日を使って自分で給与の年分を振り直すことではありません。どの会社の何の支払いがまだ来る可能性があるかを把握し、書類の不足や訂正を本人が追えるようにするためです。退職後に支給される賞与や精算金がある場合は、前の給与担当に対象の票へどう反映されたかを確認します。

受け取ったもの確認する書類転職先へ伝える前の注意
退職前の勤務に対する給与その年の給与所得の源泉徴収票主たる給与として扱われていたかを確認
退職金退職所得の源泉徴収票など給与の支払金額へ足さない
個人で請けた業務の報酬契約、請求書、振込明細副業側の収入・必要経費として別に整理
今も続く別のアルバイトその勤務先の給与所得の源泉徴収票退職済みの主たる勤務先と同じ扱いか確かめる

確認する三つの金額は通帳から作れない

前職の「支払金額」は、単純な手取りの合計とは一致しません。給与から所得税、社会保険料などが差し引かれ、非課税の通勤手当や立替精算が同じ振り込みに含まれることもあるからです。年末調整に必要な情報として、国税庁は前職の給与の額に加え、そこから徴収された所得税や社会保険料の額の確認を挙げています。

仮に前職の給与の支払金額が120万円、源泉徴収税額が24,000円、社会保険料等の金額が16万円だとします。新しい会社に見せる資料は、この三つの欄を確かめられる前職の票です。差し引きの概算1,016,000円を「前職収入」として入力すれば、額面で扱う欄と手取りを取り違えます。逆に、120万円に24,000円を加算するのも誤りです。源泉徴収税額はすでに預けた税金の情報で、給与とは別の報酬が発生したわけではありません。

前職票に控除に関する金額が書かれていても、新しい勤務先で自分の判断で全部を別紙へ転記する必要があるとは限りません。提出方法は会社によって違います。電子データの提出なのか、写しで一度確認して原本等を別途扱うのか、社内の案内に従ってください。写真を提出する方式なら、表題、年分、金額欄、支払者欄が欠けていないかを送信前に拡大して見ます。

「前職」と「もう一つの勤務先」は違う

4月にA社を退職し、5月からB社で年末まで働いたとします。就職前にA社へ扶養控除等申告書を出して支払いを受けた給与があれば、B社は原則、その給与も含めて年末調整する必要があります。A社の勤務が短期間だったことは、それだけで提出を省ける理由にはなりません。

一方、A社を辞めた後も、週末だけ別のC社で給与を受け続けるケースがあります。給与をもらった会社を片っ端から「前職」としてB社の欄に入れると、同時並行で続く従たる給与まで混ざります。C社の票が来たら、B社の年末調整で何が済んでいるかと合わせて、確定申告の要否や入力方法を確認します。雇用か委託か曖昧な仕事は、銀行明細の振込人名では判断できません。契約書と実際の支払いの性質を見てください。

前の会社に問い合わせる文面

前職票を紛失した場合と、退職後まだ交付されていない場合では、給与担当が確認するものが違います。再発行を頼むなら「2026年4月に退職した○○です。令和8年分の給与所得の源泉徴収票を紛失しました。再交付の申請先と受取方法を教えてください」と伝えれば、必要な年分と書類を取り違えにくくなります。

退職後に振り込まれた賞与が気になるなら、「受領した票の作成後に○月○日の支給がありました。この票に含まれているか、訂正版を待つ必要があるかをご確認いただけますか」と質問します。金額が違うと決めつけず、どの支給を確認したいかを具体的に伝えるのがポイントです。やり取りの控えには連絡日と回答予定日を残すと、転職先の提出期限までに次の手を打てます。

前の会社の票などで必要な金額を確認できない場合、国税庁の案内では年末調整を行えず、本人が確定申告で所得税等を精算することになります。銀行履歴や自作の一覧で代用できると思って放置せず、勤務先に取得状況を伝えます。社内締切を過ぎた後でも、まず給与担当に現在の処理状況を確認すると、同じ資料を二重に持ち込まずに済みます。

源泉徴収票が訂正されたら古い票をどうするか

退職後の賞与が反映された訂正版が届いたとき、旧票の120万円と訂正版の130万円を別会社の給与のように足すわけではありません。まず発行会社に、訂正版が同じ年分を置き換えるものか、別の支払いとして追加されたものかを確認します。置き換えなら、手元のファイル名には「旧・使用済み」「訂正後」と印を付け、転職先にはどの版をすでに提出したかを伝えます。

差額10万円だけを自作メモにして提出すると、源泉徴収税額や社会保険料も変わった場合に情報が欠けます。訂正版の各欄を照合し、年末調整が済んだ後なら、勤務先の再計算が可能か、確定申告側で精算するかを確認します。新しい票が届くたびに合計が増えるのではなく、その年に有効な書類の組み合わせが更新された、と考えると扱いを間違えにくくなります。

会社への連絡には、旧票を提出した日と訂正版の受領日も添えます。どちらが処理済みかを給与担当と同じ時系列で確認できます。

春の確定申告で前職給与を二重に足さない

副業がある人は、年末調整が済んでも春に確定申告をすることがあります。ここで新旧両方の票が手元にあるからと、必ず二枚別々に入力すると思い込むと二重計上の原因になります。新しい会社の票に前職分が含まれているかを、摘要欄の記載、勤務先からの説明、元の票で確認してください。

例えばA社120万円、B社だけの給与300万円で、B社の年末調整にA社分が含まれ、B社の票の支払金額が420万円なら、さらにA社の120万円を足すと540万円になります。通帳を見た時点では気付きにくい間違いです。毎月の給与明細の手取りを足すより、「前職分を含む」「前職分を含まない」のどちらかを最終の票にメモし、記事冒頭で分けた委託報酬を別の欄から入力すると道筋がはっきりします。

前職の源泉徴収票が未着でも、副業の原稿料は請求書から集計できます。入金先が複数なら、マネーフォワード クラウド確定申告の機能とプランで、使う口座と所得区分を扱えるかを確かめられます。源泉徴収票の再交付は前の勤務先へ依頼してください。

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公式情報

国税庁・中途就職者の年末調整、給与所得者で確定申告が必要な人。2026年11月1日確認。この記事にはアフィリエイト広告を含みます。
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