同じ買い物の「カード利用」と「口座からの引き落とし」を、両方とも経費にしないことが基本です。会計ソフトに銀行とカードを連携すると、1件の支出に関する明細が2か所から届きます。明細が2件あっても、買い物が2回あったわけではありません。
この記事では、事業用カードと口座を帳簿で管理する場合を例に、二重計上の見つけ方を説明します。仕訳例は税込経理で、利用月の業務専用ソフト代を想定しています。
3,300円のソフト代を例に考える
9月利用分の編集ソフト代3,300円をカードで決済し、10月に口座から引き落とすとします。費用の計上と、カード会社への支払いを分けて記録します。
| 場面 | 借方 | 貸方 | 意味 |
|---|---|---|---|
| 9月分の利用料が確定 | 支払手数料 3,300円 | 未払金 3,300円 | 費用と、まだ払っていない金額を記録 |
| 10月に引き落とし | 未払金 3,300円 | 普通預金 3,300円 | 未払いを解消 |
この例では費用は合計3,300円です。引き落としまで「支払手数料」にすると6,600円となり、利益を実際より少なく計算してしまいます。ソフトによっては未払金ではなくカード名の勘定を使います。名称よりも、支払い時に費用をもう一度増やしていないかを確認してください。
科目は一例です。必要経費は原則として債務の確定した年に計上するため、引き落とし日だけで年を決めません。適用している現金主義の特例や前払費用などは別途確認が必要です。根拠:国税庁「必要経費の知識」。
「同じ金額」だけでは重複と判断しない
毎月3,300円のサービスなら、同額の取引が並ぶのは正常です。削除前に、利用対象月と取引先、元の証拠が同じかを照合しましょう。
| 並んでいる記録 | 確認すること |
|---|---|
| レシート読取とカード取込 | 同じ購入なら、片方を証拠としてひも付け、費用登録を重ねない |
| カード取込と銀行取込 | 銀行側は未払金の決済として対応しているか |
| 手入力とCSV取込 | 同一取引の再登録でないか |
| 同額の月額サービス2件 | 対象月が違えば、通常は別の費用 |
銀行明細を一律に「対象外」にするのも避けてください。すでに対応する決済仕訳が作られているなら重複登録を止めますが、未登録なら決済を記録する必要があります。費用だけ合っていても、未払金や預金残高が合わなくなるためです。
月末は3つの数字をつなぐ
- 購入記録と費用を照合する。カード明細の利用分を開き、取引先・対象月ごとに費用が1回だけ登録されているか確認します。
- カード請求と決済を照合する。銀行からの引き落としを、該当するカードの支払いと対応させます。複数の買い物をまとめた請求は、1件の購入額と一致しなくても正常です。
- 未払残高を照合する。月末にまだ引き落とされていない利用分が残っているか確認します。締め日のずれも考慮し、残高を無理にゼロにしません。
修正前に帳簿を出力しておけば、後から変更箇所を確認できます。会計ソフトの「消込」「振替」「対象外」といった機能は役割が違うため、使っている製品のヘルプで該当処理を確認してから操作してください。
毎月の照合に時間がかかり、会計ソフトを選び直すなら、弥生とマネーフォワードの比較で、対応する銀行・カード、明細の修正しやすさ、無料期間に試す操作を確認できます。自動取込を使っても、二重登録の確認は必要です。
私用分と高額機材は別に判断する
事業用カードで払ったという理由だけでは経費になりません。私用分は切り分け、仕事と兼用する支出は業務に必要な部分を説明できるようにします。高額な機材は、全額を購入時の費用にできるとは限りません。
二重計上の確認と、そもそも経費になるかの確認は別です。具体的な対象はYouTubeで経費にできるもの、機材の扱いは機材の減価償却と金額の区分で確認できます。
申告後に二重計上を見つけたら
翌年の経費から差し引いて調整せず、誤りがあった年の帳簿と申告内容を確認します。税額が不足していれば修正申告が必要になるため、国税庁の訂正手続きを参照してください。
よくある質問
カード請求が複数の買い物をまとめた金額でも照合できますか?
できます。利用明細の合計と口座引き落とし額を照らし、締め日や返金も含めて未払金の増減を確認します。
同額の月額料金が並んでいたら片方を消しますか?
金額だけで削除しません。利用対象月、取引先、証拠が同じ場合に限って重複と判断します。
公式情報確認日:2026年9月23日。仕訳は説明用の例であり、実際の利用体験ではありません。

