YouTubeやSNSの売上が15万円を超えただけでは予定納税の対象とは決まりません。判定の基準は、前年の所得や税額を基に税務署が計算する「予定納税基準額」が原則15万円以上かどうかです。会社員でも、副業の確定申告後に通知が届くことがあります。前年だけ企業案件が多く今年は収入が減った人は、納付資金の準備と減額申請の検討が必要です。国税庁の予定納税を2026年9月26日に確認しました。
まず通知書で対象年と金額を確認する
予定納税はその年の所得税・復興特別所得税の一部を前払いする制度です。前年の確定申告で納付額が大きくても、必ず前年納税額のそのまま3分の2を払うとは限りません。税務署の計算による予定納税基準額や既に源泉徴収された税額などを確認し、届いた通知書に記載された各期の金額と期限を優先してください。「副業の売上」「副業の利益」「前年の所得税全額」と基準額は異なります。
| 確認するもの | 意味 | 間違えやすい点 |
|---|---|---|
| 予定納税基準額 | 原則15万円以上で対象 | 売上15万円と混同しない |
| 第1期 | 原則7月に基準額の3分の1相当 | 休日の納期限と年別の案内を確認 |
| 第2期 | 原則11月に同額相当 | 第1期を忘れても消えるわけではない |
| 翌年の確定申告 | その年の年税額から予定納税分を精算 | 予定納税で申告が不要になるわけではない |
例えば基準額が仮に18万円なら、各期6万円程度を前払いするイメージです。ただし通知書の金額が正式な額であり、端数処理などを含め自己計算の6万円に置き換えないでください。納付済みの予定納税額は翌年の申告で精算され、年税額との差により追加納付や還付が生じます。
会社員にも届くのはなぜ?
会社員の給与に対する所得税は通常、給与から源泉徴収され年末調整もあります。一方、動画広告収入、視聴者支援、企業案件、アフィリエイト、note販売の利益などが増えれば、年末調整では完結しない所得税が発生することがあります。予定納税の対象判定は前年分の所得・税額を基に行われるため、今年の副業収益がすでに下がっていても通知が届き得ます。個々の収益を受け取る時点で源泉徴収されている場合もあるので、通知書と申告書の数字を突合しましょう。
「去年の売上が300万円だったから対象」「副業所得20万円を超えたら対象」という単純な線引きはできません。売上から必要経費を差し引いた所得、給与や他の所得、各種控除、源泉徴収などを反映した税額と、税務署が通知する基準額で判断します。20万円は一定の給与所得者に関する所得税確定申告不要の例外であり、予定納税の15万円基準とは別です。
通知が届いた日の5ステップ
- 宛名、対象年、第1期・第2期の額、納期限を確認する。メールやSNSに記載された支払先へ直接送金せず、国税庁や税務署の正式な案内と照合する。
- 前年の確定申告書と通知の基準額を照らし、計算の前提となった大きな変化がないか確かめる。
- 今年1~6月の売上・経費を月別に整理し、今後の案件と月額収益を過大に見積もらない。
- 納付資金を別口座に確保し、通知に示された納付方法を選ぶ。申告書作成時に予定納税分を忘れないよう記録する。
- 業績が大きく下がった、廃業・休業した場合などは、減額申請の要件・申請期限を確認する。
前年だけ単発の大型タイアップがあり、今年は通常の広告収入のみという人は、通知を受け取った時点で今年の見込みを作ってください。単に「今年は赤字になりそう」と口頭で考えるだけでなく、案件の契約、支払明細、必要経費の記録を合わせて検討します。見込みが不明なら税務署や税理士へ相談し、納期限を放置しないことが重要です。
売上減少時の減額申請
前年と比べて所得が減少する見込みなどにより、その年の申告納税見積額が予定納税基準額より少ないと見込まれる場合、予定納税額の減額申請を検討できます。国税庁 No.2040には対象条件と申請期限が示されています。年によって休日による期限変更があり得るため、固定日だけを覚えて放置しないでください。第1期前と第2期前では参照する時点と申請期間が異なります。納期が来てからの申請で全ての支払義務が自動的に消える制度ではありません。
減額の判断に使う見込みは、前年の実績ではなくその年の売上や経費、所得控除等を整理したものです。例えば昨年の企業案件が再契約されないなら、契約の終了日、今年の月次売上、今後の案件の確度を資料にまとめます。支出を増やしたから必ず減額できるとも言えません。申請が認められるかは税務署の判断です。
資金繰りの実例
仮に月の副業売上が25万円、必要経費が8万円で、手元にはカード決済による入金待ちもある場合、25万円すべてを生活費に使うと納付日に資金が足りなくなる恐れがあります。毎月の入金、経費支払、源泉徴収、所得税・住民税等の見込みを別々に記録し、予定納税の通知後は各期の金額を月単位で分割して取り置く方法を検討します。資金を確保する割合は個人の税率・所得・控除で異なるため、一律何%と断定しません。
たとえば第1期が9万円、納期限まで3か月なら月3万円を目安に積み立てる計画を立てられます。これは仮の資金計画であり、納税額の試算ではありません。入金が遅れる企業案件があるなら「売上が立った月」と「現金を受け取る月」を分けて見積もり、年末に支払う消費税や住民税の資金と混同しないでください。副業の年末売上の整理も確認できます。
失敗例と確認先
- 通知を迷惑メールと思って放置:税務署からの正式な通知か確認し、納付期限を記録。
- 売上15万円を閾値と思う:予定納税基準額と自分の通知を見る。
- 前年の一時的な収入を今年にも見込む:月別の業績を整理し減額申請の可否を検討。
- 前払いした分を翌年申告に記載し忘れる:通知と納付記録を税務フォルダに保存。
- 申請すれば自動で納税不要と誤解:申請期限、承認内容、その後の納付義務を確認。
FAQ
会社員で給与から天引きされていても対象?
副業など年末調整で精算しない所得の税額が大きい場合は対象になる可能性があります。前年申告と通知書の基準額で確認してください。
前払いしたら翌年の確定申告は不要?
いいえ。その年の実際の所得税を翌年に計算し、予定納税分を差し引いて精算します。
通知額が今年の利益より高く感じます
前年ベースの制度のため差が出ます。現在の所得見込みと減額申請の要件を調べ、期限前に相談してください。
作業時間は?
月別売上・経費が整理されていれば通知確認と資金計画に30~60分程度を見込み、減額申請の見積りには追加の時間を確保してください。これは作業計画の仮目安です。
家族や会計担当者と共有する情報
副業の口座と家計の口座を分けていても、予定納税の引き落とし口座が旧口座になっていないか確認します。通知書の画像を家族へ送る場合はマイナンバーなどの個人情報を隠し、正式な納付額と期限だけ共有してください。会計ソフトの予定納税の記録は所得税の前払いとして扱うため、副業の制作経費や外注費へ混ぜないようにします。申告書への転記を担当者に任せる場合でも、納付の実績を自分で確認します。
チェックリスト
- 通知書の対象年・基準額・各期納期限を確認
- 前年申告と今年の見込みを分けて計算
- 減額申請が必要なら期限・証拠資料を確認
- 納付記録と翌年申告の予定納税額を照合
公式情報:国税庁 No.2040 予定納税、2026年第1期の案内。確認日:2026年9月26日。

