動画編集、サムネイル、台本作成を外注した費用は、YouTube運営のために必要な支出なら経費になり得ます。ただし「個人へ送金した履歴」だけでは仕事内容を説明しにくく、源泉徴収が必要かどうかも業務内容で変わります。
外注費にできる主な仕事
| 外注内容 | 残したい証拠 |
|---|---|
| 動画編集 | 依頼書、納品動画、請求書 |
| サムネイル制作 | 制作条件、画像データ、請求書 |
| 台本・記事執筆 | 文字数・利用範囲、原稿、請求書 |
| 撮影・出演 | 契約書、撮影日、公開URL |
「外注費」という科目名だけでは決まらない
帳簿では外注工賃、業務委託費、支払手数料などを使えます。重要なのは科目名を毎回変えず、何の動画に対する支出か追えることです。公開前の企画でも、収益を得る目的と業務との関係を説明できれば対象になり得ます。
源泉徴収は支払先と仕事内容で判断
個人YouTuberが外注したからといって、すべての支払いで源泉徴収するわけではありません。国税庁が対象として挙げる原稿料、デザイン料、出演料などに該当するかを、契約名ではなく実際の仕事内容で確認します。単純な動画編集は法令上の列挙に明記されていない一方、台本執筆、イラスト、出演をまとめて依頼すると対象部分が含まれる可能性があります。
- 支払先は個人か法人か
- 編集、デザイン、原稿、出演のどれか
- 請求書で業務ごとの金額が分かれているか
- 支払者が源泉徴収義務者に当たるか
- 納付期限と支払調書の要否
判断が曖昧なときは、請求書を「動画制作一式」にせず、編集費、台本料、サムネイル制作費などに分けてもらうと確認しやすくなります。
家族や友人への支払いは特に記録する
身近な人への現金払いは、実際に仕事をしたこと、金額が相場から不自然でないこと、支払いが行われたことを説明できるようにします。作業指示、チャット、納品物、振込明細をセットで残しましょう。同一生計の家族への支払いは通常の外注費と同じ扱いにならない場合があります。
記帳例
編集者へ5万円を銀行振込した場合は、借方を外注工賃5万円、貸方を普通預金5万円とするのが基本です。源泉徴収が必要な報酬なら、本人への振込額と預り金を分けて記帳します。案件収入の仕訳とは混ぜず、支払日と納品日も記録します。
毎月の帳簿手順はYouTube収益の帳簿付け入門、保存書類は確定申告に必要な書類一覧を参考にしてください。
よくある質問
クラウドソーシングの手数料も経費ですか?
業務に必要な利用手数料なら経費になり得ます。外注者への報酬とサービス手数料を明細で分けて記録します。
請求書がなくても経費にできますか?
請求書がないだけで直ちに不可とは限りませんが、支払先、日付、内容、金額の証明が弱くなります。少なくとも領収書や支払確認書を作り、納品物と振込記録を保存します。
海外の編集者への支払いは?
相手の居住地、役務提供地、租税条約、送金手数料など別の確認が必要です。国内の個人外注と同じ処理にせず、契約前に専門家へ確認しましょう。
契約書に入れたい項目
- 作業範囲と納品形式
- 納期と修正回数
- 報酬額、消費税、振込手数料
- 著作権と二次利用の範囲
- 秘密保持と素材の取扱い
- 再委託の可否
口頭やチャットだけでも契約は成立しますが、認識違いが起きたときに確認しにくくなります。継続依頼なら基本契約書を作り、動画ごとの作業内容は発注書やチャットで残す方法が現実的です。BGM、画像、フォントなど第三者素材の利用条件も確認しましょう。
5万円の編集を依頼した具体例
編集のみ4万円、サムネイルデザイン1万円、クラウドソーシング手数料5千円だったとします。請求書で内訳が分かれば、編集費とデザイン料の性質を別々に確認できます。源泉徴収の対象部分がある場合は、報酬総額、源泉所得税、実際の振込額を分けて帳簿へ入力します。手数料は支払手数料などで別記すると、外注先へ支払った金額と一致させやすくなります。
外注先がインボイス未登録の場合
外注費が所得税上の必要経費になるかと、消費税の仕入税額控除を受けられるかは別問題です。外注先がインボイス発行事業者かどうかを確認し、登録番号、請求書、経過措置の対象を記録します。免税事業者へ依頼しただけで外注費全体が経費にならなくなるわけではありません。
税務調査で説明しやすい保存セット
| 段階 | 保存するもの |
|---|---|
| 依頼 | 見積書、発注内容、作業指示 |
| 制作 | 素材共有履歴、修正履歴 |
| 納品 | 完成データ、公開URL、納品日 |
| 支払い | 請求書、振込明細、源泉税の記録 |
月末にまとめると納品物と支払いの対応が分からなくなります。依頼番号や動画タイトルを請求書の摘要に入れ、会計ソフトの取引へ証憑を添付しておきましょう。
源泉徴収税額はどう計算しますか?
対象報酬が100万円以下なら、通常は支払金額に10.21%を掛けます。請求書で消費税額が明確に区分されている場合は、報酬本体だけを対象にできる取扱いもあります。支払先と契約内容を確認してください。
継続依頼でも毎月契約書が必要ですか?
基本契約書で共通条件を決め、月ごとの動画名、単価、納期を発注書やチャットで残す方法があります。重要なのは各支払いと納品物を後から対応させられることです。
外注先ごとの台帳を作る
外注先名、住所、個人・法人の別、依頼内容、年間支払額、源泉徴収額を一覧にします。年末に支払調書や法定調書合計表の確認が必要になったとき、請求書を一枚ずつ探さずに済みます。住所や法人化などの変更があった場合は、変更日も記録してください。
まとめ
YouTubeの外注費は、業務との関係と取引の実在性を示す記録が重要です。仕事内容を細分化し、個人・法人、原稿・デザイン・出演の違いから源泉徴収を確認してください。

