副業の売掛金が入金されないとき|督促・一部入金・貸倒れを分けて記帳

副業の売掛金が未入金のときの督促・一部入金・貸倒れを案内するふくまる 経費・帳簿

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副業の請求書を送ったのに、支払日を過ぎても入金がない。そんなときに最初にやるべきことは、売上を取り消したり、いきなり貸倒損失にしたりすることではありません。まず「売掛金のまま残す」「入金状況を事実で分ける」「回収の記録を残す」の3点です。

未入金、振込手数料の差引き、一部入金、値引き、返品は、見た目の残高が似ていても処理が違います。この記事では、個人事業主・副業会社員が迷いやすい順に、督促から仕訳、年末の残高確認、貸倒れを検討する段階まで整理します。

結論:支払日を過ぎただけでは売上も売掛金も消さない

請求時に売上を計上しているなら、入金が遅れても売上はそのままです。入金されるまで売掛金として残し、帳簿の残高と請求書・銀行明細を一致させます。

  • 未入金:売掛金を残したまま、支払日と連絡履歴を管理する
  • 一部入金:入金額だけ売掛金を減らし、残額を残す
  • 手数料差引き:契約上どちらが負担するかを確認して処理する
  • 値引き・返品:相手との合意と理由を記録し、売上の修正を検討する
  • 回収不能:客観的な条件と証拠がそろってから貸倒損失を検討する

「連絡がないから売上を削除する」「入金差額をまとめて雑損失にする」と、売上や売掛金の残高が実態と合わなくなります。支払遅延と回収不能は分けて考えましょう。

未入金に気づいた日の確認手順

1.契約・請求・納品の3点を照合する

請求先へ連絡する前に、契約書や発注メール、請求書、納品記録を開きます。確認するのは、請求先名、金額、消費税、支払期限、振込先、検収条件です。月末締め翌月末払いを「翌月15日払い」と思い込んでいた、請求書の送付先を間違えていた、検収が完了していなかった、といった原因なら、督促より先に自分側の修正が必要です。

2.銀行明細と入金名義を確認する

屋号ではなく代表者個人名、決済代行会社名、複数請求の合算で振り込まれている場合があります。会計ソフトの自動提案だけで判断せず、対象期間の銀行明細と請求番号を突き合わせます。

3.事実だけを短く伝える

最初の連絡では責める表現を避け、「請求番号」「請求額」「当初の支払日」「現時点で入金を確認できていないこと」「確認してほしい期限」を明記します。

○月○日支払予定の請求書No.123(110,000円)について、○月○日時点で入金を確認できておりません。処理状況をご確認のうえ、○月○日までにご返信をお願いいたします。すでにお振込み済みの場合は、行き違いをご容赦ください。

電話で話した場合も、終了後に合意内容をメールで送ります。後から「いつ、誰が、何を約束したか」を確認できる状態が大切です。

状況別の帳簿処理

状況 基本的な考え方 残す資料
支払日を過ぎた 仕訳を追加せず、売掛金を残す 請求書、督促メール
一部だけ入金 入金額だけ売掛金を減らす 銀行明細、残額の合意
手数料を引かれた 契約上の負担者を確認する 契約書、入金明細
値引き・返品で減額 合意した理由と金額に基づき売上を修正 合意メール、返品記録
分割払いへ変更 入金ごとに売掛金を減らし、残額を管理 支払計画、入金履歴
回収不能が確定 要件と証拠を確認して貸倒損失を検討 法的書類、督促記録など

一部入金の仕訳例

110,000円を請求済みで、60,000円だけ普通預金へ入金されたケースなら、入金時は「普通預金60,000円/売掛金60,000円」とし、売掛金50,000円を残します。残額50,000円の支払予定日をメモや補助科目で管理します。

相手が「振込手数料を差し引いた」と説明した場合は、契約で自分負担になっているかを確認します。単なる未払いを手数料として処理しないことがポイントです。値引きへ変更する場合も、口頭だけで済ませず、合意日・理由・金額を残してください。

分割払いに応じるときの決め方

一括での支払いが難しい相手に分割を認めるなら、曖昧な「払えるときに」ではなく、次の項目を文書にします。

  • 未払い総額と対象請求書
  • 各回の金額、支払日、振込先
  • 振込手数料の負担者
  • 支払いが遅れた場合の連絡方法
  • どの入金をどの請求へ充当するか

入金のたびに売掛金を減らし、請求書別の残高表を更新します。複数案件がある相手ほど、古い請求から充当するのか、相手が指定した請求へ充当するのかを揃えておかないと、双方の残高が食い違います。

督促の次へ進む目安

最初の確認連絡で返答がない場合は、同じ文面を何度も送るのではなく、段階を分けます。請求書の再送と受領確認、回答期限を入れた書面での督促、支払計画の協議、専門家への相談という順に進め、各段階の日付と相手の回答を残してください。

  • 請求額・支払期日・請求番号に争いがないか
  • 担当者だけでなく経理・責任者にも到達しているか
  • 約束した再支払日を過ぎているか
  • 契約書、納品・検収、督促記録がそろっているか
  • 回収費用と未回収額のバランスが取れているか

裁判所の支払督促は、金銭などの請求について書類審査で進む手続きです。ただし、相手が受領後2週間以内に異議を申し立てると訴訟手続きへ移ります。相手との見解が食い違う場合や金額が大きい場合は、強い文面を独断で送る前に弁護士・司法書士などへ相談してください。

貸倒損失を検討できるのは「遅れている」より後の段階

国税庁の所得税基本通達では、債務者の資産状況や支払能力から全額を回収できないことが明らかな場合、法的な整理や書面による債務免除など一定の事実がある場合、取引停止後1年以上弁済がない場合など、複数の区分が示されています。ただし、担保がある債権や、一時的な取引だけの債権などは同じ扱いにならないことがあります。

つまり「支払日から1年たったら自動で貸倒れ」ではありません。取引停止の時期、継続取引だったか、回収努力、相手の支払能力、担保の有無などを事実で確認する必要があります。詳しい要件は、国税庁「所得税基本通達(貸倒損失)」で確認できます。

金額が大きい、相手が倒産手続きに入った、債権放棄を求められた、法的手続きを検討している場合は、自己判断で仕訳を確定せず、税務署・税理士・弁護士など適切な専門家へ相談してください。

貸倒れが確定した後は消費税も確認する

消費税の課税事業者が、課税売上に対応する売掛金を税務上の要件に沿って貸倒れ処理した場合は、貸倒れが発生した課税期間の売上に対する消費税額から、貸倒金額に含まれる消費税額を控除できる場合があります。免税事業者は対象外です。

国税庁は、控除を受けるには債権の切捨てや貸倒れの事実を明らかにする書類の保存が必要と案内しています。また、控除後に一部または全部を回収した場合は、回収した課税期間で対応する消費税額を加算します。詳しくは国税庁の貸倒れに係る税額の調整と貸倒債権を回収したときの計算を確認してください。

本記事の税務・裁判手続情報は2026年9月28日に公式情報を確認しています。実際の処理は事業者区分や債権の経緯で変わるため、判断に迷う場合は税務署・税理士・法律専門家へ確認してください。

税務調査や決算前に残しておきたい証拠

  • 契約書、発注書、注文メール
  • 納品物、検収完了の記録
  • 請求書と再発行履歴
  • 銀行明細、決済サービスの入金明細
  • 督促メール、書面、通話メモ
  • 分割払い・値引き・債務免除の合意書
  • 破産・民事再生などの通知、裁判所や弁護士からの書類

保存先を案件フォルダに統一し、ファイル名に日付と請求番号を入れると、年末の残高確認が速くなります。請求書を紛失したり記載ミスがあった場合は、副業の支払調書が届かない場合の確認方法も参考にしてください。

月末・年末の売掛金チェック

  1. 請求書一覧から、請求額・支払期限・入金額・残額を出す
  2. 会計ソフトの売掛金残高と合計を照合する
  3. 銀行明細で未登録や二重登録がないか確認する
  4. 長期未入金を経過日数別に並べる
  5. 督促日、回答、次回確認日を更新する

この一覧があれば、単なる記帳漏れと本当の未回収を分けられます。確定申告直前にまとめて追うより、月末に10分でも確認する方が、二重計上や回収漏れを防ぎやすくなります。

まとめ

副業の売掛金が入金されないときは、売上を消さず、請求・納品・銀行明細を照合し、連絡履歴を残します。一部入金は入った分だけ売掛金を減らし、残額を管理します。貸倒損失は支払遅延の延長ではなく、税務上の条件と証拠を確認して判断する処理です。

まずは請求書別の残高表を1枚作り、「次に誰へ、いつ確認するか」まで書いてください。それだけで帳簿と回収の両方が動きやすくなります。

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